私は夕陽ヶ丘に行った。 この前まで蕾だった花は満開までとはいかないけど咲いている。 風が吹くと桜の花びらがサラサラ舞い落ちていく。 私は桜の木の下に座った。 どうして私は、この世界に迷い込んでしまったんだろう……。 どうして一海さんを好きになってしまったんだろう……。 どうして……。 泣くのを我慢してたのに……。 せきを切ったように涙があふれてきた。