桜の木の下で…―運命に導かれて―




裏口から中に入り、小泉さんにお酒を持って行くように言われて和室に行った。


和室の奥、上座に一海さんと美乃さんが並んで座ってる。


そこから両家の親や親戚らしき人たちが下座に向かって座っていた。


中は凄く賑やかだ。


結婚式ってより何かの宴会みたい。


美乃さんはニコニコしている。


一海さんはいつもと変わらない。


笑ってもなく怒ってるわけでもなく無表情のまま一点を見つめている。


一海さんと美乃さんはお似合いだと思う。


美男美女だし。


だけど見るのが辛いし苦しい。


なるべく2人を見ないように、お酒を置いていく。


この場から早く出たい。


こんなとこにいたくない。


私は手早くお酒を置いていくと和室から出た。