「一海さんは……美乃さんのこと好き?愛してる?」 一海さんの顔を真っ直ぐ見て言った。 「どうしてそんなこと聞く……」 一海さんが一瞬、目を逸らした。 「美乃を好きとか愛してるとか、俺の気持ちを桜子に話す必要はないだろ?」 再び私の顔を見るとそう言った。 「そうだけど……」 「美乃との結婚は親同士が決めたことだ。俺はそれに従う。西園寺家の長男として。ただ、それだけだ」 一海さんはそれで幸せなの?