桜の木の下で…―運命に導かれて―




多恵ちゃんが落ち着いてから2人で並んでベッドの縁に座った。



「でもさぁ、一里さんもやるよね~。いきなり結婚を申し込むなんてさ」



普通は付き合ってからプロポーズして結婚って流れなんだけど、この時代ではいきなり結婚ってパターンは普通なのか?


多恵ちゃんは顔を真っ赤にして俯いたままだった。


よっぽど嬉しいんだね。



「それにさぁ……。わざわざ結婚を申し込むためだけに帰って来るなんて、一里さんってカッコイイよね!何か愛を感じるよ」


「えっ?それは違うよ?」



俯いてた多恵ちゃんが顔を上げた。


しかも真顔だ。



「えっ?違うって、何が?」


「一里様は、結婚を申し込むためだけに帰って来たんじゃないよ」



えっ?違うの?


じゃー何のために帰って来たの?