「多恵ちゃん……」 「はい……」 「もし僕が……この先、生きていることが出来たら……僕と、結婚して欲しい……」 一里様は優しい笑顔で、私を見下ろす。 結婚……。 一里様からの突然の告白。 心臓が止まってしまいそうになるくらいドキドキして、目からはポタポタと大粒の涙が落ちていく。 「ダメ、かな?」 ダメじゃない。 嬉しい。 凄く嬉しい。 私も一里様のことが好きだから……。 でも……。