桜の木の下で…―運命に導かれて―





「多恵ちゃん?僕の話を聞いてくれる?」


「はい……」



話って何?


ドキドキする。


何を言われるんだろう……。


怖い……。



「多恵ちゃん、僕ね……。多恵ちゃんのことが……ずっと好きだった……」


「…………えっ?」



目を見開き一里様の顔を見る。


私のことが、好き?


一里様が?私のこと好き?


嘘……。



「多恵ちゃんが、西園寺家に来た時からずっと……」


「一里様……」



私の目に涙が溜まる。


その涙が収まりきれず頬を伝い流れ落ちていく。