桜の木の下で…―運命に導かれて―




桜子ちゃんの部屋を出た私は、裏口から外に出て夕陽ヶ丘まで走った。


一里様が私に何を伝えたいのかよくわからない。


怖い気持ちで胸が爆発しそう。


でも桜子ちゃんに背中を押されて、私は夕陽ヶ丘に向かっている。



「はぁ、はぁ……」



静寂の中、私の激しい息遣いだけが響く。


早く……一里様に会いたい……。


早く………早く………。