桜の木の下で…―運命に導かれて―





「お前、どこから来た」



あの、話がコロコロ変わってるんですけど……。



「はい?朝日町ですけど?」


「朝日町?」



私が言った地名を聞いた彼はそう言って不思議そうな顔をした。


しばらく沈黙が続く……。



「あの……」


「この辺に朝日町っていう地名はないぞ?」



私が声をかけたと同時に彼はそう言った。


えっ?


朝日町が、ない?



「あの……」


「ん?」



彼に見られて再びドキッとしてしまった。



「ここって、桜で有名な夕陽ヶ丘ですよねぇ?」


「そうだが?」



私の家は、ここから歩いて10分くらいのとこにある。


この丘の名前は夕陽ヶ丘で合ってるのに……。


家がある朝日町がないって、どういうこと?


彼の言ってる意味がわかんない。