桜の木の下で…―運命に導かれて―




お昼からは窓拭きを言い渡された。


私ともう1人の女中さんですることになったんだけど……。


ありえない。


こんな広い家の窓拭きを2人でするなんて。


でも誰も文句言わずにするんだから、ここってよっぽど給料がいいんだろうな。


てか、私って一海さん専用の女中じゃなかったっけ?


一海さんの世話なんてしてないに等しいんじゃない?


まぁ、いいや。


私は、廊下の窓を水で濡らしたタオルで拭いていた。



「ねぇ?」


「はい?」



声のする方に振り向くと、そこには一里さんが立っていた。