「多恵ちゃん?私、何かした?」
「えっ?」
多恵ちゃんが大きな目を更に大きくさせて私を見た。
「いやさ、何か多恵ちゃん朝からおかしいしさぁ……。さっき呼んでも返事がなかったし。私、何かしたかなぁって……」
「あ、ゴメン……。桜子ちゃんは何もしてないよ?」
多恵ちゃんが“アハハ”と笑う。
「ならいいけど……」
じゃー、多恵ちゃんの上の空の原因は何なんだ?
「私、門の外を掃いて来るね」
私は立ち上がりながらそう言った。
「うん」
そう笑顔を見せた多恵ちゃん。
私はホウキを持つと、裏口から門の方へ回った。



