桜の木の下で…―運命に導かれて―





「俺とさぁ、美乃は異母兄妹なんだ……」



伊織さんが月を見ながら呟くようにそう言った。



「えっ?」



私は伊織さんの方を見る。



「俺の母親は俺が5歳の時に亡くなったんだ。その後、父親が再婚して、俺が8歳の時に生まれたのが美乃。今いる母親は俺から見たら継母ってわけ」


「そうなんですか……」



こういう時って何て言ったらいいのかわからない……。


てか、何でこんな話を今さっき会ったばかりの私に話すわけ?



「あ、ゴメンな。こんな話聞いても楽しくないよな」



まるで私の心の中を見透かしたように伊織さんはそう言って、クスッと笑った。



「いえ……」



美乃さんが今17歳で、伊織さんが8歳の時に美乃さんが生まれたんだから……。


伊織さんって、25歳かぁ……。


…………って、こんなときに何で歳の計算してんだろ。