桜の木の下で…―運命に導かれて―




夜風が気持ちいい。


私は夜空を見上げていた。



「どうしたの?」



へっ?


私は慌てて後ろを振り返ると、そこに1人の男性が立っていた。


紺のスーツを着た背の高い男性。


年は20代後半くらいかな?


一海さんと変わらないくらいカッコイイ……。



「あ、あのぉ……」


「あ、いきなり声かけてゴメン」



男性はクスッと笑う。



「俺は二階堂伊織(ニカイドウ イオリ)。美乃の兄貴」



美乃さんのお兄さん……。



「そうですか……」


「キミは西園寺家の女中だよね?」


「あ、はい。一条桜子です」


「桜子ちゃんか」



伊織さんがニコッと微笑む。


この新たな出会いが、最悪なことになるとはーー……。