桜の木の下で…―運命に導かれて―




ここを見て腹を立ててる自分がいた。


だって一般庶民は国のために頑張ってるのに……。


この人たちはこんな贅沢な暮らしして……。



「おっ!主役登場だな」



1人の男性が一海さんに言った。


確か、あの人は美乃さんのお父さんだったはず……。


主役?


どういうこと?



「一海さん?」



私は隣にいる一海さんに話しかけた。



「何だ」


「ここでいったい何があるの?」


「婚約パーティーだ」



一海さんはそう言うと、私の傍から離れた。


婚約パーティー?


一海さんと美乃さんのだよね?


うそ……。


来たくなかったよ……こんなとこ……。


奥で一海さんと美乃さんが仲良さそうに話してるのが見える。


見たくない……。


あんな仲良さそうに話してる2人なんか見たくないよ……。