桜の木の下で…―運命に導かれて―




玄関を開けると、美乃さんが出迎えてくれた。


今日は薄いピンクのドレスを着てる美乃さん。


着物の時と、また違う雰囲気だけど美人には変わりない。


でも、なぜドレス?



「いらっしゃい。お待ちしてましたわ」



笑顔の美乃さん。



「こんばんは」



一海さんは頭を深々と下げて挨拶した。



「あら?今日は女中さんもご一緒なの?」



美乃さんが私の方を見ながらそう言った。



「あぁ。彼女は俺専用の女中ですから」


「あらまぁ!そうでしたのね!」



美乃さんは笑顔でそう言った。


ワザとらしい笑顔。


てか、美乃さんのしゃべり方って、ドラマに出て来るようなお嬢様のしゃべり方みたい。


まぁ、この家を見ても家柄でも本物のお嬢様には間違いないんだけど。



「どうぞ?皆様、もうおいでになられてますわ」



皆様?おいでになってる?


この洋館で何かあるわけ?