桜の木の下で…―運命に導かれて―




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どれくらい時間が経ったんだろう……。


…………ん?……あれ?


体が全く痛く、ない?


もしかして死んじゃった、とか?


私はゆっくり目を開けた。


蕾をつけた桜と青空が目に入ってきた。


えっと、ここは天国?


…………ううん、違う。


ここは……。


夕陽ヶ丘だ。


でも何でこんなとこにいるの?


確か、陽菜と校門で別れて……それから……フラフラ走っている車に轢かれそうになって……。


えーっと……それから……えーっと……。


ダメだ、思い出せない。


車に轢かれそうになってからの記憶が、ない……。


てか、何で私、寝転んでるの?


私は上半身を起こし、自分で見れる範囲で体を見た。


不思議なことにどこも怪我はしてない。


ゆっくりと立ち上がる。


そして、スカートについた土を払い落として、側にあったカバンを手に持った。



「さてっ!帰ろ!」



そう独り言を呟いて、帰ろうとした時ーー……。