私の彼はお父さん!?

『うわあ…』


誰も居ない屋上。


空には星がきらきらと 輝いている。


そして綺麗なお月様。


『母さんの名前はユエ…』

中国語で[月]って言うらしい。


小さな頃はよく父さんが肩車して一緒に月を見た。


『母さんはお月様みたいに綺麗で優しくて』


って言ってたっけ。


フェンスに登り空を見上げ囁いた。


『母さん、あたしはどうやら貴女には似なくて父さんをがっかりさせてるみたいですよ』


ガタン…!


『あれ? 』


フェンスがゆっくり前方に倒れて、その下はもちろん空中。


『あ…あ…』


スローモーションの様に身体が倒れ、真っ暗な闇が迫る。


『やっ…助け…父さん…っ』


喧嘩したままなんてやだよ。


ふわり、とあたしは空中に浮き。


意識を手放した。