私の彼はお父さん!?

『お前は坊っちゃんを悪い人間だと本当に思っているのか? 』


『え? 』


『1日、一緒に居てどう思った』


『外見はあんなだけど親切で思いやりがあるって思ってた…でも! 』


『その【でも】は他人から言われた事だろう? そいつは信用に値するのか? 』


『あ! 』


そうだ…私、あのリーダー格の男の子の言葉を鵜呑みにして隆幸の話、全然聞かなかった。


『理解したようだな』


『…はい』


晃さんが私をじっ、と見詰める。


『さて、どうしたい? 』


その鋭い瞳は今はとても優しい。


『隆幸に、会いたい。話したい』


『了解した。屋敷で待とう…今は坊っちゃんにも考える時間が必要だろう』


『あの、ありがとうございます』


『…俺は俺のしたい事をしただけだ』


晃さんがちょっと照れくさそうに言った。