私の彼はお父さん!?

『遅いな』


『ですねぇ』


晃さんが言うには連絡があったそうだからとっくに隆幸が来てもおかしくないみたいなのに。


『あたし、見て来ます』


『あ、こら』


屋上かなぁ?


隆幸に早く会いたくて晃さんの静止を聞かず学校の門から中に入ってしまった。

『困った猫だ、今回のは奔放過ぎる』


晃は長いため息を吐くと車を駐車する為ハンドルを切った。



* * *



『居ないや』


屋上、数人の男子が居るだけだ。


一回戻ろうかな。


『…そのネクタイ』


『ひゃ! 』


いつの間にか背後に男の子が居てあたしのネクタイを指差した。


『隆幸の? 』


『うん、そうだけど』


言ったとたん、男の子の顔が歪む。


『仔猫ちゃん発見~』


『え?』


『何、今回この子なの? 』

『擦れてなさそうで可愛いな~』


『隆幸言わないんだもんよ~』


次々に知らない男の子達に囲まれどうしたらいいか分からない。


『隆幸…助けて…』


小さな声で言ったけど、もちろん届く筈も無かった。