私の彼はお父さん!?

わたわたと起き上がると薄手のブランケットが地面に落ちた。


『あれ…これ晃さんが? 』

『坊っちゃんの猫に風邪をひかれては俺が八つ当たりされるからな』


『でも、ありがとうございます』


ぺこり、と頭を下げるとほんの少しだけ晃さんが唇の端を吊り上げて笑った。


『躾は出来ているらしい』

『は、い? 』


『坊っちゃんを迎えに行く、一緒に来るか? 』


『行きます! 』


『ふっ、今度は尻尾が見える』


『え? 』


しっぽ?


『パタパタしてる』


『…っ! 』


『行くぞ』と足早に歩く晃さんを追い掛け熱い頬を両手で冷やしあたしは急いだ。