私の彼はお父さん!?

『全く、こんな所で丸まってうたた寝とは…本当に猫の様だ』


渋い声。


薄く目を開けると隣に座る気配がした。


あ、膝枕出来る。


ちょうどベンチのゴツゴツした感触が痛かったんだぁ…。


ぽす。


『こ、こら! 』


『ん』


身動ぎする膝を腕で抑え、再び眠りにつく。


身体に何か掛けられた気がしたけど眠くてそんな事考える余裕は無かった。



* * *



『う…? 』


真上見る。


文庫本?


大きな手。


隆幸のじゃない。


『…やっと起きたか』


『ひゃっ! 』


見下ろしてたのは。


『若い方の結城さんっ! 』

『確かに若い方だが名前がある。晃だ』


『あきら、さん』


眉間に深いシワを寄せ苦々しげに晃さんは言った。


『良く寝るな』


『わ! ごめんなさいっ』