私の彼はお父さん!?

『おいひい』


『ちゃんと噛め』


『ん、』


ハンバーガーを頬張るあたしにジュースを渡し、たかゆきが言った。


『…な~んか調子狂うんだよなぁ、霧と居ると』


『へ? 』


『なんか守らなくちゃならない気がして…っいてぇ!』


『どしたの? 』


『目にゴミ入った…いてて…使い捨てだからいいか』

親指と人差し指で器用にコンタクトを外し内ポケットからたかゆきが眼鏡を出した。


『あ、』


『あ? 』


『ぶーーーっ!!!!』


飲み掛けたオレンジジュースがあたしの口から勢い良く噴射した。


『うわあ! 霧、馬鹿! 』


眼鏡を掛けたたかゆきは。

隆幸にそっくりで。


やっぱりと言うかなんていうか。


薄々感じてたけど。


『お、父さんだっ!!!』


ぽかん、と隆幸が口を開け、掛けた眼鏡を人差し指で持ち上げた。