私の彼はお父さん!?

『なんでよ…』


家があるはずのその場所は空き地だった。


『夢、じゃないよね』


頬っぺたをつねってみるとちゃんと痛い。


『…父さん…』


ちょっと前まではウザくて「嫌い」で「離れたい」って思ってたのに今は会いたくて仕方ない。


門限だってあたしを心配して言ってくれてたのに「死ねば良かった」なんて言って。


『罰が当たったんだ』


これから、どうしよう。
何処に行けばいいんだろう、なんで家が無いの?


『困ったな…』


『本当に』


『…』


『…誰』


下を見ると幼稚園位の男の子があたしを見上げてた。真っ黒な上着とズボン、そして一番奇異なのは頭にウサギの耳が…生えている。

ぴくん、


耳が動いた。


本物…じゃないよね。