私の彼はお父さん!?

『霧、待ちなさい! 』


あーウザイ…。あたしは思い切り眉間にシワを寄せて振り向いた。


『なんだその顔は』


父さんもあたしに負けず劣らず眉間にシワを寄せている。鏡を見てるみたいでよけいムカつく。


『貴方の娘の顔ですが』


『化粧が濃い! 汚い! 』


ちょ…濃いはまだしも汚いとか何言い出すのこの人!


黒髪をオールバックにして黒縁眼鏡をし、きちんとスーツを一分の隙もなく着こなしてるくそ真面目な父親を睨み付けた。


『隆幸こそつまんねー男』

『隆幸言うな! お前のお父さんだぞう! 』


『はいはい、お父さん行ってきまーす』


『霧…っ! 』


まだ何か言ってたけど知らなーい。


あたしは乱暴に扉を締め歩き出した。