「はあ・・・俺は悪魔界から来た者だ。ミエルにはちょっとした任務があるんだけど、その遂行を手伝いに来た。」
「ミエルにちょっとした任務?」
俺はすぐに分かった。
天使を消す事だと。
「まあ、お前が知る由はない。」
「そのミエルの任務完了が遅いから来たって事ですか?」
「いや、ミエルはやる時はやる子だし、知能派だから。何か作戦を考えているんだろう?俺はちょっとした偵察に来た。」
「偵察?」
「昨日、この近くで凄い魔力を感じて。それが依然、突如消えた悪魔界の女王様の魔力に値するものだから誰の魔力かを俺は見に来た。が、俺はこの地域を全く知らない。そこでミエルに案内を頼もうとしたのだが。こんな説明じゃ許してくれない?病人君。」
「病人に病人って言うのは失礼じゃないですか?」
「こりゃ、失敬。じゃあ、俺から君に質問がある。」
「何ですか?」
「君は天使かい?それとも、悪魔かい?」
俺はこの人が何を言ってるのか分からなかった。
「俺は人間ですけど?いきなり、何ですか?」
「これまた失敬。ちょっと魔力を感じたもので。で、本題に戻そう。ミエルはどこにいる?」
「昼にはここに来るので待ってたらどうですか?」
「そんな時間はない。」
そう言って、男は去って行った。
「変な人だな。」