「で、その悪魔が俺に何の用だ?」
俺は消されるんだと思った。
しかし、ミエルが言ったのは全く予想もしない言葉だった。
「え、何もしないよ?」
俺は唖然となった。
「え、俺を消しに来たんじゃないのか?」
ミエルはクスクス笑い出した。
「ボクがお兄ちゃんを消してどうするの?面白い事言うね。」
「じゃあ、何で俺に声なんて掛けたんだ?」
急に真剣な顔をして言った。
「敷いて、言えば手伝って欲しいんだ。」
「手伝うって何を?」
「天使を探して、消して欲しいの。勿論、ボクも手伝うから。」
「へ?」
俺はまた疑問が思い浮かんだ。
「天使?」
ミエルは真剣な顔のまま言った。
「そう、天使だよ。」
俺はやっぱり子どもだなと思った。
「良いよ。天使さんを探してあげるよ。」
「本当!?」
「うん。」
たまには子ども気分を味わうのも良いかなと思った。
「ねえ、さっきどこか行くの急いでなかった?」