光のうみ

「んで、どこ引越しすんの?」
店長は真面目な声で言った。

「それがさ、まだ物件無いんだ。
良いの見付からなくてさ。」
私は、そう言った。

「アハハハハハ…。」
店長は笑う。
「お前らしいな。んで今どこ?」

私は、とっさに
「博多。」
と言ってしまった。
少し、自分自身に驚いた。

「遠いなぁ。
何かやりたい事は見付かったの?」

「うん。そんで博多なんだ。」
私は嘘をついた。