「池田友之。

エリカが今、狙ってるんだけど、

木崎さんがもしかしたら彼女かも知れないって、

エリカが悩んでるの」




そのエリカちゃんのためになら、

あたしはあらぬ疑いをかけられて、

嫌な思いをさせられてもかまわない。

ってことね。



類はちょっと頭にきた。


「違うけど」 


「本当に?隠してない?」




目の前の名前覚えてない彼女に、

隠し立てするほどの

義理もないんだけど。

 


めんどくさい。


「片思い中です」


類は言って、

本に目を戻した。