「ねえ、木崎(キサキ)さん、

あなたって、

池田君と付き合ってるの?」

 
休み時間、

静かに本を読んでいた類に、

よりにもよって、

類が一番嫌がる質問を、

クラスメートが投げかけてきた。


「池田?だれ?」


池田、とは友之のことである。

友之とは幼馴染で、

何だかお年頃になっても、

これまで通り普通に

仲良くしてしまっているだけだ。

そこがおかしいと言えば

おかしいのだろうけれど、

あまりに気を使わなさ過ぎて、

相手が同性か異性かも

わからなくなってしまっている、

というのが一番近い。