テンポの良いキラキラした曲に

類の、

空気を孕んだ力強い声が

響く。

類の頭の中はだんだん白く

染められていっていた。

酸素が体の中から、

ことに

頭から不足して酸欠状態なのだ。

歌うといつもこうなる。

友之の、


『歌ったあとも自力で家に帰れる
くらいの余力は残しておけ』


そう、偉そうに怒る顔が

目に浮かんだ。