「キンコーン カンコーン」


やっと放課後のチャイムが鳴った。


「では、また明日、気をつけて帰るように。」


担任の小西がそう言うと帰宅へと急ぐ者、教室に残って雑談する者、部活に急ぐ者に分かれる。


大体は、屋上に行くか、すぐに帰る者になる。


今日はタムラと約束したので、嫌でも屋上に行かなければならない。


荷物をカバンに詰めて、教室から屋上へと向かった。


屋上の扉を開けると、タムラがフェンスに寄りかかり、少し悲しい顔で携帯を見ている。


「何見てるんですか?」


「はっ!」


タムラは驚き急いで胸ポケットに携帯をなおした。


「何ですか?そんなに急いで隠して?携帯持ってても、誰からも鳴らないでしょ?」


僕はタムラばりにニヤニヤした。


「まぁー、大人には事情があるのさ、、。」


ため息混じりに言った。


「それより、ビックリしただろう?死んでる者がこんなはっきり見えることに。」


その話題に触れてほしくないのか、話題を変えた。


「それは、ビックリしますよ!今まで幽霊なんて見えたこと無いし、今でも信じられないですもん、、。」