「手をつないでいただけますか?」

手を差し出すと、爽やかな笑顔で、
「やっと僕の魅力に気付いてくれたんだね。」
と、おっしゃいました。

寝ぼけていらっしゃるようですね。

「違います。魔王城には沢山の罠が仕掛けられていますし、魔物がうろついているので・・・・・」

「照れなくても良いのに」

殴ったら目が覚めるでしょうか・・・
ためにし殴ってさしあげると、怯えたような顔して黙ってしまいました。

まぁうるさいよりは良いので万事OKです。

無理矢理手をとって魔王様のお部屋に向かうことにします。

先程申しましたように、魔王城には沢山の罠がございます。
これは時折思い出したように魔王様を倒しにくる勇者や、
常々魔王様のお命を狙っている野心的な魔族の為に私がお作りしたものです。

心を込めてお作りしたので、上出来な出来栄えだと思いますわ。