「彼氏がモテるのがそんなに嫌か?」

「そうね。嫉妬しちゃうわよダーリン?」

「キモイ。私そんな話し方しないから」

「しょうがねぇよ。文紀彼女いないんだし」

「そうだな」


今回のお昼当番は至と文紀。戻ってきた2人は会話に参加してきた。
私の真似をしたらしい文紀に冷ややかな視線と桂子の駄目押しを食らわせるとなんか叫びながら走り去っていった。
相変わらず桂子への愛は冷めていない。


『ピーンポーンパーンポーン! 2年C組百地沙久さん、放課後保健室までお越しください。絶対ですからね! ピーンポーンパーンポーン!』


教室からクスクス笑い声がしていた。
人の声で“ピーンポーンパーンポーン!”が聞こえ、尚且つ音程がずれていれば笑ってしまうだろう。
みっちゃんも考えて放送してくれればいいものを。私もいい笑い者じゃないかい!


「…ということで、今日は先帰ってて、ダーリン」

「いや、待ってるぜ」

「みっちゃんとの会話ってかなり弾むからいつになるかわからないよ。待たせるの嫌いだから帰っててよ」

「そうだぜ至。教師にまで妬いてんじゃねぇよ」

「……了解、ハニー」


桂子の口添えがあってか、あっさり認めてくれた。
桂子の口の端が上がった気がしたんだけど…気のせいかな。気のせいだよね。

みっちゃんとは“放課後相談クラブ”という非公認の部活を作っていた。
みっちゃんは保健室の先生で、結構人気のあるんだよ。私も好きで保健室に通っていたらこの部に誘われたってわけ。
ちなみに部員はみっちゃんと私だけ。相談者がいれば2人でアドバイスして、何もなければ2人でお茶をするのがこの部の趣旨。
口コミで評判いいんだよ“放課後相談クラブ”。