(side雪子)

「ーあと、30分か…」


鞄に、お金と簡単に食べられる食べ物、携帯などを詰めたあたしは重い腰をあげた。


開始時刻は午前9時。

午前9時までに市が指定する場所に行き参加手続きをしなくてはならない。

玄関を出る前、一番大切なモノを忘れて慌てて取りに帰った。


「…かなこ、あたし、頑張るから、ね」


妹の写真を鞄のポケットに入れるとあたしは玄関の扉を開けた。


始まるんだーー。

殺人許可日がーーー。