「お前、面倒くせぇな。もう電話すんな。じゃ〜なっ。」

タバコを取ってから禁煙してた事を思い出した。

「クソッ…なんなんだよ、アイツ。」

激しい苛立ちを剥き出しのまま、もう一度携帯電話を手に取る。

「あ〜真哉〜俺の話を聞いてくれ〜。つか今日一緒に寝てくれ〜。」

「…ヒロミ、なんだよ?…俺はお前は健全な男子だと思ってたよ。」

「いや、俺はバイだ。じゃなくてな…」

「どうせまた別れたんだろ?」

「あはっあははは…、バレタ?」

「この時間の電話の半分はそうじゃないか。明日お前ん家行くから今日はもう寝ろ。」

「つれないねぇ…二人で熱帯夜過ごそうぜ〜?」

「ただ暑いだけだろ。…今無理。」

「あっ…あ〜電話口からもギシギシ聞こえますよ〜。」

「…まだしていないが。出来れば…ね。じゃあ待たせてるから。」

「明日はよろしくぅ!!」

最後は聞こえるか聞こえないかの瀬戸際だった。

「さて、寝酒…だな。」

冷蔵庫からブランデーを出してソファに寝ながら呑み始め、一時間後にはブランデーを零していた。

見ている夢は真哉の艶姿だった。