横から伸びてきた手が 玄関の鍵をかけたらしい。 『何してるんですか、翔さん?』 「一緒に食べよ?」 『…食べたら帰りますよ?』 「うん」 しかたなく、リビングに戻り 翔さんと向かい合わせになるように座った。 馴れた手つきでパンにバターを塗っている翔さん。 一人暮らしだから、当たり前か。