短編:クローバー




お互いの挨拶が終わり、野球部員達が戻ってきた。

お疲れ様。や甲子園頑張れ。などの声が次々と飛び交う。


私は自然と目を泳がせて雅希を探す。



ヤツがいない。


今年もヤツがいない。




今年は勝つことが出来たのに何故あいつはいないのだろうか。


ちょうど知り合い後輩が目についたので訊いた。

「お疲れ様。ねぇ、雅希何処行ったか知ってる?」

「あっ先輩!お疲れっす!!雅希先輩、なんか止めたんですけど走って球場出てっちゃったんですよ」


少し申し訳なさそうに苦笑いして教えてくれた。

私は、ありがとうとお礼を告げて小さく溜め息をついた。