それから雅希の姿を見せることなく、周りは次々と帰り支度を進めていた。 そんな光景がいやに寂しく思えてくる。 お互いの挨拶を終えて戻ってくる野球部のみんなの顔はマウンドの土で汚れていて、それが涙の水分でぐちゃぐちゃになっていた。 そんな彼らを見てたら自分までも涙腺がゆるみ涙が出てくる。 だがその中に、愛しい私の幼なじみは ─────…いない