向こう岸の恋

おもむろに車が駐まる。

「?」

 外を見るとホテルの前だった。

「……」

 つまり、もう帰れって事か。

ミカはしょんぼりとして、視線を落とした。ベリルは、そんなミカにおかまいなしに、助手席のドアを開く。動かないミカに、

「いつまでもお前に付き合えない。それは解っているのではないのかね?」

 言われてミカは、彼に激しく顔を向けた。

「解ってるよ! でもっ」

 ベリルはそんな彼女にキスを与えると、ミカはさらに深いキスを求めるように身を乗り出した。