向こう岸の恋

 彼と会えて私は凄く嬉しかったけど、ベリルの顔はそうでもないようだった。

 むしろ、彼にとっては邪魔なんだろう。そう思うとちょっと悲しい。

でも、折角会えたこの時間、私は無駄にしたくない。

彼の車の助手席で、心地よい風を浴びる。

「……」

 でも……

「ピックアップトラックとは……」

 ミカが、半笑いでつぶやいた。

ムードもへったくれも無い気がする。こういう車は、運転席と助手席の間が結構空いてるのだ。しかも、ベリルは無言だ。