向こう岸の恋

 彼の態度に、ミカはがっくりと肩を落とした。

ああ……やっぱり、そういうのは望んでないのね。

「ホテルはどこだ?」
「え。近くだけど」

 ベリルは立ち上がる。それにミカは慌てて、

「ちょ、ちょっと待ってよ。まさか、もう送る。なんて言わないわよね」

「不服か」

 不服なんてもんじゃないわよ!

「折角、ハワイまで来たのよ。この1日ホテルで1人過ごせっていうの?」

 言われて、ベリルは眉をひそめた。

「それもそうか」

 すかさずミカは、

「行きたいトコあるんだけど」

 にっこり笑った。