向こう岸の恋

「きれい……」

 ミカはベリルの腕に手を回す。うつむいて、声を絞り出した。

「ごめんなさい。無茶な事を言ってるのは解ってる。突き放す事だって出来るのに……」

 もう、それ以上は何も言えなかった。こらえるように、彼の胸に顔を埋める。

「……」

 ベリルは彼女を優しく抱きしめた。

「ん……」

 そして今度は、彼のキスを素直に受け入れる。


 思考がマヒしそうなほど、深い口づけだった。