向こう岸の恋

「ざっと60体。よくも集めたものだ」

 ずらりと並べられた円筒形の容器。ゆっくりと確認していく。

「あなたは保存しないで側にいさせてあげたのに……」

 ベリルは彼女の言葉には応えず、

「この中に、ミッシング・ジェムはいるのか?」

「2人ほど見つけたわ」

 それらしいケースの前に立つ。プレートに書かれた文字を読む。

「ふむ。ライカンスロープ、狼憑きの一族か」

「あなたなら冷凍されても死なないんでしょう?」

「された事が無いからわからんよ」

 言ってパネルを操作する。

“バシュウウゥー!”

 大きな音を立てて、白い煙が吹き出した。

「何をするの!? 私のコレクションよ」

「悪趣味だ」

 目を据わらせてベリルは笑った。