痛みで顔をゆがめるイリーナ。ミカは「ざまあみろ」と、心の中でほくそ笑んだ。

 左手も後ろに持ってきて、女は両手を縛られた。そしてベリルはカメラに笑いかける。

<カメラはこっちかな?>

 見た事の無い満面の笑みが、かえって恐怖をかき立てる。

<主人は預かった。どうにかされたくなければ、私に攻撃しない事だ>

 そうして、画面から姿を消す。

ウィルは体を震わせて、その顔からは怒りが見て取れた。

「……」
「!」

 男は険しい目を、ミカに向けた。