向こう岸の恋

 なんて根性の悪い女! ちょっと自分が美人だからって、それが許されると思ってるのか。

 そんな恨みの念を、送りつけている間にイリーナの手が、ベリルの頬に添えられる。

見たくない。でも見ずにはいられない。

嫌だ……嫌だ。その手を払いのけてよ、ベリル……お願い。

<悪くない取引だ>

 発せられた言葉に、ミカは頭の中が真っ白になった。

「……ウソ」

 うそ……

ベリルがイリーナを見つめて、顔を近づける。

 ウソよ……

目を閉じたイリーナに、キスをするベリル。

ミカは手で顔を覆った。

「もう止めて……」

 これ以上見たくない!