向こう岸の恋

 女はベリルに近づく。ミカはそれにイライラした。

<さっきの言葉、覚えてるかしら?>

 ベリルの胸に手を添えて、彼をベッドにうながす。

ベリルはうながされるまま、ベッドに腰掛けた。イリーナもその隣に座る。

<私のモノになるって約束すれば、彼女を無傷で解放してあげるわ。もちろん、ある程度の自由もあげる。どう? 悪い取引じゃないでしょう?>

 誘うような瞳が、ベリルを見つめる。

「……」

 なんなのよ。なんなのよ、このシーン。

怒りに叫びそうになる。そんなミカにウィルは笑いながら、

「イリーナ様は、気に入ったモノに悪い虫がついてるとな、徹底的にその相手をどん底に突き落としたくなる。だから可哀想だけど諦めるんだな」