ミカは一端、容器から出されて別の場所に移された。

結局、入る場所は同じ容器なのだが。今度は、コントロールルームのような処だった。

目の前のディスプレイに、知らない部屋が映し出されている。

 そこへ男が入ってきた。トラを撃ち殺して、ベリルの胸に銃弾を当てた奴だ。

 ミカは力の限り睨み付けた。それに、男は少しも悪びれる事無く鼻で笑う。

「名前がなきゃ恨みの1つも言いにくいだろ。俺はウィルソン。ウィルでいい。あんたのために、日本語で話してやるよ」

 その体格の良い男は、馬鹿にしたような表情でミカに言い放った。

「……」

 英語が解らなくて悪かったわね……腹が立ったが、あえて言ってやるほど私は親切じゃない。