向こう岸の恋

 血まみれでそんな事言わないでよ。悪いのは私なのに……あなたは、こんな風に捕まっていたの? いつも、そうやって傷ついているの?

 ミカは何も言えず、涙をぐいと拭った。そして必死に言葉を絞り出す。

「あの人たちはなんなの? こんな酷い事して」

「あの女は『コレクター』の1人だろう」

「コレクター?」

「金をつぎ込んで欲しいものを手に入れる。中には、人間を対象にしているコレクターも少なからず存在する」

「こんなの……酷いよ」

 ミカは震えながら、添えられているベリルの手に自分の手を合わせる。

「すぐ解放するように交渉してみよう。もうしばらく我慢してくれ」

 それを聞いたミカは、

「だめっ! そんなの」

 そんな事したら……あなたは、あの女のモノになっちゃう。そんなの嫌。

ベリルはそんなミカに、

「心配無い」

 そう言って笑いかけた。