「ミカーこっち、こっち」

 親友のエリが呼ぶ。大学を卒業する前に、友達4人で思い出作りとしてここハワイに来ているのだ。

 浅井ミカは、以前ベリルという傭兵に偶然出会った。彼は“不老不死”という信じがたい存在だった。

 さらには、ヒトDNAをつなぎ合わせて造られた人工生命体だという事実。どう考えたって信じられっこないような話だが、そんな嘘もわざわざつく理由は無い。

 だから、ミカはそれを信じた。彼との出会いは、1度目は夜の公園で、2度目は温泉街で。

その整った容姿と魅力的なエメラルドの瞳。彼女はすぐに彼に惹かれた。ベリルの正体は誰にも話してない。

 話しても、信じてもらえないだろうし。きっと彼も、それを良く思わない。私は、彼と同じ世界で生きる事は出来ない。



 けど……想いは募るばかりだ。