さて…、今日のお怒りは一体何だ――?
「なんで・・・
私の家財の一切合財を、ココに運ぶワケ!?」
…今頃、気づいたのか。
華澄の実家の私物全てを、新居に運んであるからだ。
コイツが逃げ戻れる空間を、此処以外に残さないため。
俺以外に頼れるモノを、残さないようにしたから――
「当然…、俺と結婚したからだろ?」
ぷぅっと頬を膨らませている、コイツの元へ近づくと。
ニッコリ微笑んで、その表情を楽しむ。
「う…、で、でもっ!!
昨日の帰り、必要な物を取りに寄ったら・・・
部屋がカーテンだけ!になってたのよ!?
由紀子さんに聞いても、教えてくれなくて・・・
それでこの家を探ってみたら、あるじゃない!!
もぉおお、あり得ないわよー!」
そんな俺の態度で、余計に怒り始めた。