コレくらい…、言ってもイイよね?
すると・・・・
「全く…、蘭はウマイな――?」
「え・・?」
言葉の意味が分からずに、あたしは首を傾げたけれど。
拓海は教えてくれなくて・・・
フッと一笑すると、空を見上げてしまった。
だから、あたしも一緒に夜空を見上げたの。
だけれど・・・・
真っ暗な空を見て、途端に心が沈んでしまう。
明日は逃げたくて仕方がない、中学受験の日――
でも、絶対に受かりたい・・・
合格すれば、また拓海と一緒に通学出来る。
だから、今まであんなに勉強を頑張れたの。
嫌いな算数も、毎日必死で問題集と戦った。
でもね・・・
頑張れば頑張るほどに、不合格になってしまいそうで。
受験って、こんなに辛いモノなんだって知ったの。

